初期症状チェックリスト
「最近、親の様子がおかしい気がする」と感じていたら、以下のチェックリストで確認してみましょう。当てはまる項目が多いほど、専門医への相談を検討するサインです。
認知症の初期症状チェック(5つ以上で受診を強くおすすめします)
同じことを何度も繰り返して話す・聞く
少し前に食べた食事の内容を覚えていない
財布・鍵など物をよく紛失し、「誰かに盗まれた」と言う
日付・曜日・季節がわからなくなってきた
長年通っている道や場所で迷う
料理の手順がわからなくなった・味つけがおかしくなった
お金の計算やATMの操作ができなくなった
以前は好きだった趣味や外出に全く興味を示さなくなった
怒りっぽくなった・疑い深くなった・人が変わったように感じる
テレビのリモコンや家電の操作が急にできなくなった
木村和夫さん(仮名)・50代・会社員(長男)
父・78歳の異変に気づいた時のこと
最初に気づいたのは、父から同じ内容のLINEが1日に3回来た時です。「今日は天気がいい」って。既読にしているのに、気づいていないのか覚えていないのか。帰省して話してみると、会話はスムーズなんです。でも「先週電話したじゃないか」って言っても全く覚えていない。病院に行かせようとしたら「どこも悪くない」って怒って。そこで初めて、これは普通の物忘れとは違うんじゃないかと思いました。
1〜2個でも強く気になる症状がある場合は、「これくらいなら大丈夫」と様子を見ずに、かかりつけ医や認知症専門外来に相談することをおすすめします。
加齢による物忘れと認知症の違い
年を取れば誰でも物忘れは増えます。「ただの老化」と「認知症の始まり」を見分けることが、早期発見のポイントです。
✅ 加齢による普通の物忘れ
- 人の名前がすぐ出てこないが、後で思い出せる
- 体験の一部を忘れる(「何を食べたか」忘れる)
- ヒントを与えると思い出せる
- 物忘れを自分で自覚している
- 日常生活に大きな支障はない
⚠️ 認知症のサイン
- 体験そのものをまるごと忘れる(「食事したこと自体」を忘れる)
- ヒントを与えても思い出せない
- 物忘れを自覚していない・指摘すると怒る
- 同じことを何度も繰り返す
- 日常生活・仕事・家事に支障が出ている
認知症の主な種類
認知症にはいくつかの種類があり、症状・進行・対応が異なります。
| 種類 | 割合 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| アルツハイマー型 | 約70% | 記憶障害から始まり、ゆっくり進行。最も多い |
| 脳血管性認知症 | 約20% | 脳梗塞・脳出血後に発症。段階的に悪化することが多い |
| レビー小体型 | 約5% | 幻視(ありありとした幻覚)・パーキンソン症状が特徴 |
| 前頭側頭型 | 約5% | 性格変化・常同行動(同じことを繰り返す)が初期から出る |
⚠️ 種類によって使える薬や対応が異なります。「認知症かも」と思ったら、自己判断せずに専門医を受診することが重要です。
受診の流れと受診先
どこを受診すればいい?
- かかりつけ医(内科・かかりつけクリニック):まず相談する。専門医への紹介状を書いてもらえる
- 認知症専門外来・物忘れ外来:脳神経内科・精神科・老年科に設置されていることが多い
- 認知症疾患医療センター:都道府県が指定した認知症の専門拠点。鑑別診断から支援まで対応
受診時に持参するもの
- 保険証・お薬手帳
- 気になる症状のメモ(いつ頃から・どんな様子かを具体的に)
- 本人と同居または身近な家族(医師が家族から話を聞くことが多い)
診断でどんな検査をするか
- 認知機能テスト(MMSE・HDS-Rなど):記憶・計算・言語などの認知機能を点数化
- MRI・CT検査:脳の萎縮や血管の状態を画像で確認
- 血液検査:甲状腺疾患・ビタミン欠乏など、認知症に似た症状が出る病気を除外
早期発見・早期対応のメリット
「認知症は治らないから診断を受けても意味がない」と思っていませんか。それは誤解です。早期発見には多くのメリットがあります。
早期発見・早期対応のメリット
- 薬で進行を遅らせられる:アルツハイマー型には進行抑制薬がある。早いほど効果的
- 本人が意思決定できるうちに準備できる:施設の希望・財産管理・延命治療の意向を本人が決められる
- 家族が心構えと準備をできる:突然の危機的状況を防ぎやすい
- 適切なサービスを早く受けられる:要介護認定・介護保険サービスの利用開始が早まる
- 家族が「なぜこんな行動をするのか」理解できる:対応のストレスが減る
まとめ
- 同じことの繰り返し・体験ごと忘れる・日常生活への支障が認知症の主なサイン
- 加齢の物忘れと認知症の違いは「体験ごと忘れるかどうか」「自覚があるかどうか」
- アルツハイマー型が最多(約70%)。種類によって対応・薬が異なる
- まずかかりつけ医に相談し、必要なら専門外来・認知症疾患医療センターへ
- 早期発見で進行を遅らせ、本人が意思決定できる期間を長く保てる
📌 参考・出典
- 厚生労働省「認知症施策について(早期診断・早期対応)」→ https://www.mhlw.go.jp/
※ 本記事は情報提供を目的としています。認知症の診断は必ず医師が行います。気になる症状があればかかりつけ医にご相談ください。