要介護度はどうやって決まるのか
実際の要介護認定は、2段階で決まります。このチェックが目安にすぎない理由も、ここにあります。
一次判定(コンピュータによる判定)
市区町村の認定調査員が自宅や入院先を訪問し、74項目の基本調査を行います。その結果をコンピュータに入力し、「介護にどれくらいの時間がかかるか」を推計した要介護認定等基準時間を算出します。この時間の長さで一次判定の区分が決まります。
二次判定(介護認定審査会)
保健・医療・福祉の専門家で構成される介護認定審査会が、一次判定の結果に加えて主治医意見書と、調査員が記入した特記事項を読み込んで最終的に決定します。ここで一次判定から区分が変わることがあります。
つまり最終的な結果を左右するのは、数値化された74項目だけではありません。「実際にはどんな場面で、どれくらい手がかかっているか」という記述が効きます。ここを伝えきれるかどうかで結果が変わります。
このチェックと実際の認定がずれる主な理由
- 調査項目の数が違う——実際は74項目、このチェックは11問です。細かい動作や医療的な処置の有無は反映されていません
- 「できる」か「している」かの区別がない——認定調査では、本人ができるかどうかではなく実際に介助が行われているかを見る項目があります
- 主治医意見書が入っていない——認知症の程度や病気の見通しは医師の記載が大きく影響します
- 本人が実際より「できる」と答えてしまう——調査当日だけしっかりしてしまう、いわゆる取り繕いは非常によくあります
- 日によって状態が違う——調子のよい日に調査が当たると、実態より軽く出ます
これらの理由から、このチェックの結果と実際の認定は±1〜2段階、場合によってはそれ以上ずれます。目安として使い、実際の申請は必ず市区町村の窓口か地域包括支援センターへご相談ください。
チェックのあと、何をすればいいか
まだ認定を受けていない場合
申請の窓口はお住まいの市区町村の介護保険担当課、または地域包括支援センターです。地域包括支援センターは相談も申請の代行も無料で、まだ介護保険を使っていない段階でも利用できます。申請から認定までは原則30日以内ですが、実際にはもう少しかかることがあります。
認定が下りる前でも、暫定ケアプランを作ればサービスを使い始められます。退院直後などで待てない場合は、この方法があることを覚えておいてください。
すでに認定を受けていて、目安とずれた場合
このチェックの結果より実際の認定が軽かった場合、取りうる手は2つあります。1つは区分変更申請——状態が変わったときにいつでも出せて、回数制限はありません。もう1つは審査請求で、こちらは処分を知った日の翌日から3か月以内という期限があります。
ただし、区分が上がっても限度額の枠が増えるだけで、枠が余っている状態なら使えるサービスは変わりません。まず担当のケアマネジャーに「いま限度額の何割を使っているか」を確認するのが先です。
要介護度が変わると何が変わるか
- 1か月に使えるサービスの上限額(区分支給限度基準額)が変わります。超えた分は全額自己負担です
- 入れる施設が変わります——特別養護老人ホームは原則として要介護3以上が対象です
- 福祉用具のレンタル範囲が変わります——介護ベッドや車いすは原則要介護2以上が対象です
- 自己負担額が変わります——1〜3割の負担割合は所得で決まりますが、使うサービス量が増えれば総額は上がります
負担が増えることを心配して区分変更をためらう方がいますが、順番が逆です。先に高額介護サービス費や負担限度額認定といった軽減制度を確認してから、必要な区分を取りにいくほうが結果的に負担は軽くなります。
よくある質問
Q. このチェックの結果で介護保険サービスは使えますか?
使えません。このチェックは介護認定調査の主要項目をもとにした参考ツールで、公式な認定ではありません。サービスを利用するには、お住まいの市区町村の介護保険担当課または地域包括支援センターで要介護認定の申請を行う必要があります。申請は無料で、地域包括支援センターでは申請の代行も無料で対応してもらえます。
Q. チェック結果と実際の認定はどれくらいずれますか?
±1〜2段階、場合によってはそれ以上ずれることがあります。実際の認定は74項目の訪問調査に加え、主治医意見書と調査員の特記事項をもとに介護認定審査会が判定するためです。とくに認知症がある場合、本人が調査当日だけしっかり受け答えしてしまう「取り繕い」で、実態より軽く判定されることがよくあります。
Q. 要介護認定の申請から結果が出るまでどれくらいかかりますか?
原則として申請から30日以内と定められていますが、実際にはもう少しかかることがあります。結果を待てない場合は、暫定ケアプランを作成することで認定前からサービスを使い始められます。退院直後など急いでいる場合は、ケアマネジャーか地域包括支援センターに暫定ケアプランを相談してください。
Q. 思ったより低い結果が出ました。どうすればいいですか?
実際の認定が実態より軽かった場合、区分変更申請と審査請求の2つの方法があります。区分変更申請は状態が変わったときにいつでも出せて回数制限がありません。審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内という期限があります。ただし、まず担当ケアマネジャーに今の限度額を何割使っているか確認してください。枠が余っているなら、区分が上がってもサービスは増えません。
Q. 要介護度が上がると自己負担は増えますか?
使えるサービスの上限額が上がるため、サービスを増やせば総額は増えます。ただし高額介護サービス費制度には月ごとの自己負担の上限があり、施設入所の場合は負担限度額認定で食費・居住費を下げられます。負担が増えることを心配して区分変更をためらうより、先に軽減制度を確認してから必要な区分を取るほうが結果的に負担は軽くなります。