特養の費用の基本構造

特養(特別養護老人ホーム)の費用は、以下の4つで構成されます。民間の有料老人ホームと違い入居一時金はゼロ。月額費用だけで利用できる点が最大の特徴です。

費用区分内容介護保険適用
介護サービス費介護・看護サービスの対価あり(1〜3割負担)
居住費部屋代(多床室・個室で異なる)なし(軽減制度あり)
食費1日3食の食事代なし(軽減制度あり)
日常生活費紙おむつ・理美容・レクリエーションなどなし

月額費用の内訳と相場

標準的な特養(多床室・要介護3・1割負担)の費用目安は下記のとおりです。

項目標準額(目安)第1段階軽減後
介護サービス費(1割)約22,000〜28,000円/月変わらず
居住費(多床室)約25,200円/月(840円×30日)0円/月
食費約41,400円/月(1,380円×30日)9,000円/月
日常生活費約10,000〜20,000円/月変わらず
合計約9〜15万円/月約4〜8万円/月
⚠️ 個室の場合は居住費が月60,000円前後になります。多床室(4人部屋など)のほうが大幅に安くなります。
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渡辺誠さん(仮名)・50代・公務員(次男) 父・83歳を特養に入所させた経験

父が要介護4になったとき、有料老人ホームは月25万円以上で家族の年金では到底無理でした。特養に申し込んで9ヶ月待ちましたが、入所後の費用が月8万円ほどで収まっています。入所前にケアマネさんから「負担限度額認定を必ず申請してください」と言われて手続きしたのですが、申請前と後では食費だけで月3万円以上違いました。知らないままだったら大変なことになっていたと思います。

費用を下げる2つの軽減制度

① 負担限度額認定(補足給付)

住民税非課税世帯の方が申請できる制度です。居住費・食費が所得段階に応じて大幅に軽減されます。

段階対象者食費(多床室)居住費(多床室)
第1段階生活保護受給者・老齢福祉年金受給者300円/日0円/日
第2段階住民税非課税・年金収入80万円以下390円/日370円/日
第3段階①住民税非課税・年金収入80万円超120万円以下650円/日370円/日
第3段階②住民税非課税・年金収入120万円超1,360円/日370円/日
第4段階住民税課税世帯軽減なし(1,380円/日)軽減なし(840円/日)

② 高額介護サービス費

1ヶ月の介護サービス自己負担額が上限を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です。一般的な所得の方の上限は月44,400円です。こちらは一度申請すれば継続的に支給されます。

高額介護サービス費の負担上限額(月額)
  • 現役並み所得者(課税所得145万円以上):44,400円〜140,100円
  • 一般(住民税課税):44,400円
  • 住民税非課税世帯:24,600円
  • 老齢福祉年金受給者・生活保護:15,000円

負担限度額認定の申請方法

1
市区町村の介護保険担当窓口へ

「介護保険負担限度額認定申請書」を入手し、必要事項を記入して提出します。

2
必要書類を準備する

介護保険被保険者証、本人・配偶者の通帳のコピー(全ページ)、マイナンバー確認書類など。資産要件の確認のため通帳のコピーが必要です。

3
「介護保険負担限度額認定証」を受け取る

認定証が届いたら施設に提示します。有効期間は8月〜翌年7月の1年間。毎年更新が必要です。

他施設との費用比較

施設種別月額費用(目安)入居一時金待機期間
特養5〜15万円なし数ヶ月〜数年
老健(介護老人保健施設)8〜15万円なし比較的短い
介護付き有料老人ホーム15〜35万円0〜数百万円比較的短い
グループホーム15〜20万円0〜数十万円施設による
サービス付き高齢者向け住宅12〜25万円0〜数十万円比較的短い

まとめ

  1. 特養の月額費用は7〜15万円。入居一時金はゼロ
  2. 住民税非課税世帯は「負担限度額認定」を申請すると食費・居住費が大幅軽減
  3. 高額介護サービス費で月の負担に上限が設けられる
  4. 2つの軽減制度を使えば月4〜8万円に抑えられるケースも
  5. 申請は自動でされないため、入所前に必ず市区町村窓口で手続きを
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📌 参考・出典
  • 厚生労働省「介護保険の給付・負担について」→ https://www.mhlw.go.jp/
  • 厚生労働省「特定入所者介護サービス費(補足給付)について」→ https://www.mhlw.go.jp/
※ 費用・制度の内容は時期・地域によって異なります。最新情報は各市区町村窓口またはケアマネジャーにご確認ください。