「ヘルパーが来なくなる」は、もう珍しくない

「利用している訪問介護の事業所から、突然『サービスを終了します』と連絡が来た」——いま、これは特別な不運ではありません。介護事業者の倒産は2年連続で過去最多を更新し、なかでも訪問介護は3年連続で最多。ヘルパーの高齢化と人手不足、物価高が重なり、地域によっては「利用者はいるのに、ヘルパーがいない」状態が広がっています。

この記事は在宅介護サービスの種類と選び方(費用・組み合わせ例)の一部です。どのサービスを組み合わせるかで迷っている方は、こちらをどうぞ。

つまり、これはあなたの家だけの問題でも、事業所の怠慢でもなく、構造的な問題です。責めるより、備えて動くこと。この記事では「連絡が来た直後」から「どうしても見つからない場合」まで、時間軸でやることを整理します。

閉鎖・終了の連絡が来たら——最初の1週間

① まず、ケアマネジャーに連絡する(当日)

最初の行動はこれだけです。次のサービスを調整するのはケアマネジャーの本来業務であり、あなたが一人で事業所に電話をかけまくる必要はありません。事業所の閉鎖は複数の利用者に同時に起きるため、動き出しが早いほど選択肢が残っています。

② 今の事業所に3つ確認する

⚠️ 「終了日まで残りわずか」「すでにサービスが止まっている」場合は、ケアマネジャーと並行して地域包括支援センターや市区町村の介護保険窓口にも連絡を。緊急のショートステイなど、つなぎの手配を相談できます。

次の事業所が見つからないときの組み方

問題はここからです。ヘルパー不足の地域では、「どこも空きがない」「週3回頼みたいのに週1回しか無理」という返事が現実に返ってきます。そのときは、「1つの事業所で全部まかなう」発想を手放すのがコツです。

組み方内容向いているケース
① 複数事業所の分担 月・水はA事業所、金はB事業所のように分ける 各事業所に少しずつ空きがある場合。リスク分散にもなる
② 別類型への切り替え 定期巡回・随時対応型や小規模多機能型居宅介護へ 1日複数回の対応が必要な場合。包括報酬型は回数の柔軟性が高い
③ 通い・泊まりへの振り替え 訪問の一部をデイサービス・ショートステイに置き換える 日中の見守り・入浴・食事が主な目的の場合
④ 保険外サービスの併用 自治体の生活支援・シルバー人材センター・民間家事代行で家事部分を補う 生活援助(掃除・買い物)の穴埋め。身体介護は資格者に

どの組み方ができるかは地域の資源次第です。ケアマネジャーに「この地域で今、現実に使えるものを全部教えてください」と率直に聞いてください。ケアマネジャー自身との相性や動きに不安がある場合はケアマネの変更も含めた付き合い方も参考に。

つなぎ期間を家族だけで抱えない

次の体制が整うまでの数週間、「その間は自分がやるしかない」と抱え込むと、仕事や体を壊します。つなぎの選択肢はあります。

眠れない日が続くようなら、夜間介護と睡眠を守る方法も読んでみてください。あなたが倒れないことが、何よりの介護継続です。

事業所の「危ないサイン」と日頃の備え

閉鎖を完全に予測することはできませんが、人手不足のサインは日常に表れることがあります。

気にかけておきたい変化
  • 担当ヘルパーの交代が急に増えた
  • サービス提供責任者が短期間で何度も変わった
  • 時間変更・直前キャンセルが頻発するようになった
  • サービスの追加や時間延長を断られることが増えた

こうした変化を感じたら、責めるためではなく備えるために、ケアマネジャーと「もし今の事業所が難しくなったら、次はどうするか」を一度話しておきましょう。また、普段から②③のような複数サービスの併用にしておくと、1か所が止まっても生活が全部止まらない体制になります。

どうしても確保できないとき

地域によっては、あらゆる手を尽くしても在宅サービスが必要量確保できないことがあります。そのときに知っておいてほしいのは、施設への入居は「在宅の失敗」ではないということです。サービスが確保できず本人の安全が守れない状態を続けるほうが、本人にとっても危険です。

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まとめ:事業所閉鎖・ヘルパー不足の行動リスト

  1. 終了連絡が来たら、当日中にケアマネジャーへ一報
  2. 今の事業所に「終了日・引き継ぎ資料・後継紹介」の3点を確認
  3. 見つからなければ「複数分担・別類型・通い泊まりへの振り替え」で組み直す
  4. つなぎ期間はショートステイ・デイ追加・介護休業で家族の共倒れを防ぐ
  5. 日頃から複数サービス併用にしておくと、1か所止まっても生活が止まらない
  6. どうしても確保できないなら、施設も「本人の安全を守る」正当な選択肢

よくある質問

訪問介護の事業所から「サービス終了」の連絡が来ました。まず何をすればいいですか?
まずケアマネジャーに連絡してください。次の事業所探しはケアマネジャーの重要な仕事であり、一人で探す必要はありません。あわせて、終了日・それまでのサービス継続・引き継ぎ資料の3点を今の事業所に確認しましょう。終了日まで日がない場合は、市区町村の介護保険窓口や地域包括支援センターにも相談できます。
次の訪問介護事業所がなかなか見つかりません。どうすればいいですか?
1つの事業所で全部をまかなう発想を捨て、①複数の事業所で分担する、②定期巡回・随時対応型や小規模多機能型など別類型のサービスに切り替える、③一部をデイサービスやショートステイに振り替える、といった組み合わせをケアマネジャーと検討してください。訪問で確保できない分を通いと泊まりで補うのが現実的です。
ヘルパーが来られない間、家族だけで介護するしかないのでしょうか?
つなぎの期間は、ショートステイの緊急利用、デイサービスの回数追加、自治体の生活支援・配食・見守りサービスなどで負担を分散できます。家族だけで抱えると共倒れのリスクが高いため、期間限定であることをケアマネジャーに伝えて使える資源を総動員してもらいましょう。介護休業(通算93日)をつなぎに使うのも選択肢です。
事業所の経営が危ないサインはありますか?
確実な予測はできませんが、担当ヘルパーの交代が急に増えた、サービス提供責任者が頻繁に変わる、時間変更・キャンセルが頻発する、サービス追加を断られる、といった変化は人手不足のサインであることがあります。気になったら、早めにケアマネジャーと「もしもの時の代替案」を話し合っておくと安心です。
在宅サービスがどうしても確保できません。施設を考えるべきですか?
訪問系の担い手が不足している地域では、必要な回数のサービスが組めないことが現実に起きています。本人の安全が守れない状態が続くなら、施設入居は「あきらめ」ではなく、本人と家族の生活を守る現実的な選択肢です。老健やショートステイの長期利用でつなぐ方法もあります。ケアマネジャー・地域包括支援センターに率直に相談してください。
※本記事は一般的な情報の整理であり、個別の状況への助言ではありません。利用できるサービス・空き状況は地域によって大きく異なります。具体的な調整は担当のケアマネジャー・市区町村窓口にご相談ください。情報は2026年7月時点のものです。本ページには広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。