小規模多機能型居宅介護とは

小規模多機能型居宅介護(しょうきぼたきのうがたきょたくかいご)は、名前は難しいですが、しくみはシンプルです。「通い」「訪問」「泊まり」という3つのサービスを、1つの事業所がまとめて提供してくれる介護サービスです。「小多機(しょうたき)」と略されることもあります。

3つのサービスを1か所で
  • 通い——事業所に通ってデイサービスのように過ごす(食事・入浴・レク・機能訓練)
  • 訪問——スタッフが自宅に来て、身の回りの手伝いや安否確認をする
  • 泊まり——事業所に泊まる(ショートステイのように。急な泊まりにも対応しやすい)

ふつうは、デイサービスはA事業所、訪問介護はB事業所、ショートステイはC施設……と別々に契約しますが、小規模多機能はこれを1か所にまとめるのが特徴です。しかも「今週は通いを増やしたい」「今夜は急に泊まりたい」といった変更に柔軟に応じてくれるのが大きな魅力です。定員が少ない(登録は29人以下)地域密着型のため、アットホームで顔なじみの関係が生まれやすいのも特徴です。

月額定額制のしくみ

小規模多機能のいちばんの特徴が「月額定額制」です。デイサービスや訪問介護は「使った回数ぶん」払いますが、小規模多機能は要介護度ごとに決まった月額を払えば、通い・訪問・泊まりを何回組み合わせても基本料金は同じです(食費・宿泊費などは別途)。

💡 定額制のポイント
  • 要介護度が上がるほど月額は高くなる(要支援〜要介護5で段階的)
  • たくさん使う(通いも訪問も泊まりも必要)人ほど、割安になりやすい
  • 逆に利用が少ない月でも定額なので、あまり使わない人は割高に感じることも
  • 食費・宿泊費・おむつ代などは定額とは別にかかる
⚠️ 定額制なので「使わないと損」という気持ちになりがちですが、無理に使う必要はありません。逆に、利用が月に数回程度で済む軽度の方は、回数払いの一般のデイサービスのほうが安くなることもあります。どちらが合うかは、使う量とケアマネの試算で判断してください。

メリット

小規模多機能ならではの良さを整理します。

デメリット・注意点

良いことばかりではありません。契約前に必ず知っておきたい注意点があります。

注意点内容
他のデイ・訪問介護と併用不可 原則、通い慣れた別のデイサービスや、これまでの訪問介護事業所とは併用できない。ケアマネも変わる
ケアマネが変わる 小規模多機能を使うと、担当ケアマネは事業所のケアマネになる。今のケアマネとの関係が変わる
利用が少ないと割高 定額制のため、あまり使わない月でも同じ料金
泊まりの定員が少ない 泊まりのベッド数が限られ、希望日に必ず泊まれるとは限らない
事業所数が地域で限られる 地域密着型のため、住んでいる市区町村の事業所しか使えない。近くにないこともある

特に大きいのが「他のデイや訪問介護と併用できない」「ケアマネが変わる」点です。今のサービスや担当者に満足している場合は、切り替えを慎重に検討してください。

デイ・ショートステイ・訪問介護との違い

「結局、ふつうのデイやショートステイと何が違うの?」を整理します。

サービス内容料金
小規模多機能 通い・訪問・泊まりを1事業所で柔軟に 月額定額
デイサービス 通いのみ 利用した回数ぶん
ショートステイ 泊まりのみ(別施設) 利用した日数ぶん
訪問介護 訪問のみ 利用した回数ぶん

それぞれのサービスを別々に使いたい・今の事業所を続けたいなら、デイサービスショートステイ訪問介護を組み合わせる従来の形が向きます。「1か所にまとめて柔軟にお願いしたい」なら小規模多機能、という選び方になります。医療的なケアも必要なら、訪問看護を組み合わせた「看護小規模多機能型居宅介護(看多機)」という、訪問看護がセットになった類似サービスもあります(訪問看護の記事も参考に)。

どんな人に向いている?

小規模多機能が特に力を発揮するのは、次のような方・ご家庭です。

向いているケース
  • 認知症があり、環境や人の変化に弱い方(顔なじみのスタッフで安心できる)
  • 状態や予定が変わりやすく、柔軟な対応が必要な方
  • 通い・訪問・泊まりをぜんぶそれなりに使う方(定額で割安に)
  • 家族が急な泊まりを頼める安心感がほしい(仕事・介護の両立、急用時)
  • 複数の事業所を使い分けるのが大変と感じているご家庭

逆に、今のデイやケアマネに満足している方、利用が少なく回数払いのほうが安い方には、必ずしも向きません。まずはケアマネや地域包括支援センターに「小規模多機能は合いそうか」を相談し、近くの事業所を見学してから決めるのがおすすめです。在宅での介護が難しくなってきた場合は、在宅か施設かの判断もあわせて考える時期かもしれません。

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まとめ:小規模多機能を選ぶときの5つのポイント

  1. 通い・訪問・泊まりを1事業所でまとめて柔軟に使える地域密着型サービス
  2. 月額定額制。たくさん使う人ほど割安、少ししか使わない人は割高になることも
  3. 顔なじみのスタッフ・急な泊まり対応が強み。認知症や状態が変わる方に向く
  4. 他のデイ・訪問介護と併用不可、ケアマネも変わる点は要注意
  5. 合うか迷ったらケアマネに相談し、近くの事業所を見学してから決める

よくある質問

小規模多機能はデイサービスと何が違いますか?
デイサービスは『通い』だけを回数ぶん払って使いますが、小規模多機能は『通い・訪問・泊まり』の3つを1つの事業所で月額定額で柔軟に組み合わせて使えます。同じスタッフが対応するため、環境の変化に弱い方でも安心しやすいのが特徴です。
料金はどのくらいかかりますか?
要介護度ごとに決まった月額定額制です。要介護度が上がるほど月額は高くなり、通い・訪問・泊まりを何回組み合わせても基本料金は同じです。ただし食費・宿泊費・おむつ代などは別途かかります。正確な金額は事業所やケアマネが説明してくれます。
今使っているデイサービスや訪問介護と併用できますか?
原則できません。小規模多機能を使うと、通い・訪問・泊まりはその事業所に一本化され、他のデイサービスや訪問介護とは併用できないのが基本です。担当ケアマネも事業所のケアマネに変わります。今のサービスに満足している場合は慎重に検討してください。
急に泊まりをお願いすることはできますか?
小規模多機能は柔軟な対応が強みで、家族の急用や体調不良のときに、いつものスタッフのところへ泊まりをお願いしやすいのが特徴です。ただし泊まりの定員は限られるため、希望日に必ず泊まれるとは限りません。事前に事業所と相談しておくと安心です。
どんな人に向いていますか?
認知症などで環境や人の変化に弱い方、状態や予定が変わりやすい方、通い・訪問・泊まりをそれなりに使う方、急な泊まりの安心感がほしいご家庭に向いています。逆に、利用が少なく回数払いのほうが安い方や、今のデイ・ケアマネに満足している方には必ずしも向きません。
看護小規模多機能(看多機)とは違うのですか?
看護小規模多機能型居宅介護(看多機)は、小規模多機能に『訪問看護』が加わったサービスです。医療的なケア(点滴・褥瘡処置・看取りなど)も必要な方に向いています。医療ニーズがある場合は、看多機も選択肢に入れて主治医・ケアマネに相談してください。
※本記事は公的制度をもとにした一般的な解説であり、個別のサービス選択について助言するものではありません。料金・利用条件は2026年7月時点の情報で、事業所・市区町村や制度改定により異なります。実際の利用はケアマネジャー・地域包括支援センター・事業所にご確認ください。本ページには広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。
出典・参考
  • 厚生労働省「介護保険制度」関連ページ(地域密着型サービス・小規模多機能型居宅介護)
  • 厚生労働省「地域密着型サービス」(小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護の概要と登録定員)
  • ※費用・登録定員・利用条件は2026年7月時点の情報です。事業所・市区町村により異なる場合があります。