大人用おむつ4タイプの違いと選び方

大人用おむつは大きく「テープ式」「パンツ式」「尿取りパッド」「フラットタイプ」の4種類に分かれます。選ぶ基準は値段や枚数ではなく、まず「本人がどのくらい動けるか」です。ここを取り違えると、本人の自立を奪ったり、逆に漏れて何度も着替えが必要になったりします。

パンツ式 — 自分で歩ける・立てる人に

普通の下着のように上げ下げできるタイプです。自分でトイレに行ける・立てる方に向いています。「まだ自分でトイレに行きたい」という気持ちを支えられるのが最大の利点で、自立を保つうえでも重要です。日中はパンツ式+薄型パッド、というのが在宅介護で最も多い組み合わせです。

テープ式 — 寝て過ごす・立てない人に

左右のテープでとめるタイプで、寝たまま交換できるのが特徴です。立ち上がりが難しい方、寝て過ごす時間が長い方に向いています。ウエストの調整幅が広く、体格や腹囲の変化にも対応しやすいのも利点です。テープ式の内側には必ず尿取りパッドを併用します。

尿取りパッド — 全員が本体に併用する消耗品

おむつ本体の内側に重ねて使う吸収パッドです。排尿のたびにパッドだけ交換すればよく、本体(パンツ式・テープ式)の交換回数を大きく減らせます。日中用・夜用(長時間用)・男性用(前側に厚みがある形)など種類が豊富で、使い分けが費用節約のカギになります。

フラットタイプ — 重度・介助者が整えられる場合に

広げて体にあてる平型のおむつで、吸収量が多く重度の方向けです。あて方にコツがいるため、介助者がしっかりケアできる場合に向いています。

📋 「動けるのにテープ式」は避ける
歩ける方にテープ式(寝たきり向け)を使うと、トイレでの排泄をやめさせてしまい、かえって自立を早く失わせることがあります。「今できること」を奪わないタイプ選びが大切です。

「本体+尿取りパッド」で手間と費用を減らす

在宅介護でおむつ代が一番ふくらむ原因は「本体ごと何度も交換すること」です。おむつ本体は1枚あたりの単価が高く、毎回まるごと替えると費用も手間も大きくなります。

そこで基本になるのが、「おむつ本体(パンツ式またはテープ式)+尿取りパッド」の2枚使いです。排尿があったときは内側のパッドだけを交換し、本体は汚れていなければそのまま使います。これだけで本体の消費が大きく減り、ひと月のおむつ代を抑えられます。

本体+パッド併用の効果
  • 単価の高い本体の交換回数が減り、月のおむつ代を節約できる
  • 交換がパッドだけになるので、介助の手間と本人の負担が軽い
  • 日中は薄型パッド、夜は吸収量の多い夜用パッド、と使い分けられる
⚠️ パッドを2枚重ねるのは逆効果です。重ねると尿が横モレしやすくなり、吸収力もかえって落ちます。「足りないときは枚数ではなく、吸収量の多い1枚に替える」が鉄則です。

サイズ・吸収量の選び方と「夜の漏れ」対策

サイズはウエストと太ももで合わせる

サイズが合っていないと、大きすぎれば隙間から漏れ、小さすぎれば食い込んで皮膚トラブルや不快感の原因になります。パッケージのウエストサイズ表示を目安にし、迷ったら一度メジャーでウエスト(おへそ周り)を測りましょう。テープ式は体格の変化に幅広く対応できますが、パンツ式ははき口のフィット感がサイズ選びの決め手になります。

吸収量は「日中用」と「夜用」を分ける

パッドには「2回吸収」「6回吸収」「8回吸収」など、排尿何回分を吸収できるかの目安が書かれています。日中はこまめに替えられるので薄型(2〜4回)で十分ですが、夜間は交換できない時間が長いため夜用(6〜8回吸収)を選びます。日中と夜で同じパッドを使い続けるのが、漏れと費用増の両方の原因になりがちです。

夜の漏れを防ぐ3つのポイント

  1. 吸収量を上げる:まずは夜用(長時間・多回数吸収)のパッドへ替える
  2. ギャザーを立てる:おむつ・パッドの内側のヒダ(立体ギャザー)を指で立て、脚の付け根に沿わせて隙間をなくす
  3. あてる位置を見直す:男性は前側、女性は中央〜後ろ側に吸収体が来るように。サイズが合っているかも再確認する

そろえておくと安心な排泄ケア用品

おむつ本体・パッドのほかに、次のものをそろえておくと、在宅での排泄ケアがぐっと楽になり、皮膚トラブルやニオイも防げます。気になるものは価格や口コミを見て選んでみてください。

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大人用紙おむつ(テープ式・パンツ式)
本体。動ける度合いでテープ式かパンツ式を選ぶ。まとめ買いで割安になることが多い。
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尿取りパッド(日中用・夜用)
本体に重ねる消耗品。日中用と夜用(長時間吸収)を使い分けると漏れと費用を両方抑えられる。
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おしりふき・清拭タオル
厚手でぬれているタイプが拭き取りやすい。肌にやさしいノンアルコール・弱酸性が安心。
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使い捨て手袋・防水シーツ
交換時の衛生対策に。防水シーツはベッドや布団を汚れから守り、洗濯の手間を減らす。
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防臭おむつポット・防臭袋
使用済みおむつのニオイ対策に。防臭袋に包んでから捨てるだけでも室内のニオイが大きく違う。
1,500〜4,000円程度
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皮膚保護クリーム(保湿・撥水)
おむつかぶれ・かぶれ予防に。排泄物の刺激から肌を守る撥水タイプが、ただれ防止に役立つ。
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おむつ代を抑える|自治体支給・助成・医療費控除

大人用おむつは毎日使う消耗品なので、ひと月で数千円〜1万円以上かかることもあります。少しでも負担を減らすために、次の3つを確認しておきましょう。

市区町村のおむつ支給・購入助成

大人用おむつそのものは原則として介護保険の給付対象外ですが、多くの市区町村が要介護者向けに「おむつの現物支給」や「購入費の助成」を独自に実施しています。対象となる要介護度・所得・支給額・申請方法は自治体ごとに大きく異なります。「(お住まいの市区町村名) おむつ 支給」で調べるか、市区町村の介護保険窓口・地域包括支援センターに確認してください。

医療費控除の対象になることがある

傷病でおおむね6か月以上寝たきりの状態にあり、医師が治療上おむつが必要と認めた場合、医師の発行する「おむつ使用証明書」とレシートをそろえれば、年間のおむつ代を医療費控除の対象にできることがあります。確定申告で世帯の税負担を軽くできる可能性があるため、領収書は捨てずに保管しておきましょう。詳しくは介護の税金控除まとめもあわせてご覧ください。

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在宅での排泄ケアを楽にするコツ

排泄ケアは、介護のなかでも介助者・本人ともに負担を感じやすい場面です。次のポイントを押さえると、毎日のケアがぐっと楽になります。

💡 排泄が自分でできなくなってきたら、ポータブルトイレの併用や、訪問介護(ホームヘルパー)での排泄介助の利用も検討しましょう。プロの手を借りることは、介護を長く続けるための大切な選択です。
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中村久美さん(仮名)・56歳・パート勤務 父・83歳(要介護3)の在宅介護でおむつを使用

最初は何を買えばいいか分からず、ドラッグストアで一番大きいテープ式をまとめ買いしていました。でも父はまだ伝い歩きができたので、訪問看護師さんに「パンツ式に薄いパッドで十分ですよ」と教わって。本体ごと替えていたのをパッドだけにしたら、おむつ代がひと月で半分近くになりました。夜だけ吸収の多いパッドに替えたら漏れもなくなって、私も父も夜中に起きずに済むようになりました。

※体験談は一般的なケースをもとにした構成例です。実際の体験談は順次掲載予定です。

まとめ:大人用おむつ選びのポイント

  1. タイプは「動ける度合い」で選ぶ(歩ける→パンツ式、寝て過ごす→テープ式)
  2. 「本体+尿取りパッド」を併用し、汚れたらパッドだけ交換すると手間も費用も減る
  3. パッドは重ねず、足りなければ吸収量の多い1枚に替える
  4. サイズはウエスト・太ももで合わせ、夜は夜用(多回数吸収)を使う
  5. 自治体のおむつ支給・助成や医療費控除で費用を抑えられる場合がある
参考・出典
※ 商品の価格・吸収量は製品や時期により異なります。おむつの支給・助成の有無や条件、医療費控除の取り扱いは市区町村・税務署により異なります。具体的な制度の利用可否は、市区町村の介護保険窓口・地域包括支援センター・税務署にご確認ください。本記事は2026年7月時点の一般的な情報です。