ポータブルトイレが必要になるとき
「夜中に何度もトイレに連れていく」「廊下や階段の移動が危険になってきた」「間に合わないことが増えた」——在宅介護において夜間のトイレ介助は介護者の睡眠を大きく妨げる要因のひとつです。ポータブルトイレを寝室に設置するだけで、移動距離・転倒リスク・介護者の起床回数をまとめて減らせます。
①夜間のトイレ移動で介護者が何度も起きる ②廊下・段差の移動が転倒リスクになっている ③トイレまで間に合わないことがある ④体力低下で立ち上がりが困難になってきた ⑤夜間介護で昼間も眠れず限界を感じている
夫が夜中にトイレに起きるたびに介助していたので、私もまともに眠れない日が続いていました。ケアマネさんに相談して、ベッドの横にポータブルトイレを置いてみたら…夜中の大変さが8割減りました。最初は夫も「そんなもの使いたくない」と言っていたのですが、転倒の危険がなくなってお互い安心して眠れるようになって、本人も「これでよかった」と言っています。
※体験談は一般的なケースをもとにした構成例です。実際の体験談は順次掲載予定です。
ポータブルトイレの種類と特徴
どのタイプを選ぶか判断チェック
4タイプから迷ったときは、以下のチェックを参考にしてください。
失敗しない選び方5つのポイント
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① 高さ調整ができるか
本人の足がしっかり床につく高さが理想。高すぎると踏ん張れず、低すぎると立ち上がれない。高さ調整ができるモデルを選ぶのが安心。 -
② 肘掛けの有無と取り外し可否
立ち上がり動作を補助するために肘掛けはほぼ必須。肘掛けが取り外せるタイプは横から介助しやすく、浴室用として兼用できる場合もある。 -
③ 処理方式(バケツ・消臭袋・水洗)
毎日の処理をするのは介護者。バケツを毎回洗うのが大変な場合は消臭袋タイプ(袋ごと捨てる)が楽。水洗式は快適だが費用が高い。 -
④ 蓋の有無と密閉性
使用していないときに蓋が閉まるタイプは臭いを大幅に抑えられる。認知症の方がゴミを入れてしまう事故防止にも有効。 -
⑤ 分解して洗えるか
パーツが分解できるタイプは隅々まで洗いやすく衛生的。介護者の負担を減らすために「洗いやすさ」は重要な選択基準。
介護保険で9割補助を活用する
ポータブルトイレは介護保険の「特定福祉用具販売」の対象品目です。要介護1以上(要支援1〜2も対象)であれば、年間10万円を上限に購入費の9割(負担割合2割の方は8割)が支給されます。
- ① ケアマネジャーに「ポータブルトイレを購入したい」と相談する
- ② 指定の福祉用具販売店で購入する(指定外の店では補助が受けられない)
- ③ 一旦全額を支払い、後から市区町村に申請して払い戻しを受ける(償還払い)
- ④ 申請書類:領収書・販売証明書・受領委任状など(販売店が用意してくれる場合が多い)
- ⑤ 申請から1〜2ヶ月で指定口座に振り込まれる
| 負担割合 | 10万円の商品を購入した場合の自己負担 | 支給額 |
|---|---|---|
| 1割負担の方 | 10,000円 | 90,000円 |
| 2割負担の方 | 20,000円 | 80,000円 |
| 3割負担の方 | 30,000円 | 70,000円 |
本人が「使いたくない」と言ったときの伝え方
「まだ自分でトイレに行ける」「そんなもの置きたくない」——ポータブルトイレは本人のプライドが傷つきやすい用品です。頭ごなしに勧めると反発を招くため、「安全のため」ではなく「本人が自分でできるため」という視点で伝えることが重要です。
設置・使い方のコツと臭い対策
設置場所の選び方
- ベッドからすぐ手の届く位置に設置する(立ち上がってすぐ座れる距離)
- 手すりや家具につかまりながら移動できる動線を確保する
- 夜間の使用を想定し、センサーライトと組み合わせると転倒防止になる
- 床がフローリングの場合は滑り止めマットを敷いて安定させる
臭い対策5つの実践法
- 消臭剤をバケツ内の水に入れる(専用消臭剤が市販されている)
- 使用後すぐに蓋を閉める習慣をつける
- 消臭袋(携帯トイレ処理袋)を使えば袋ごと捨てられて清潔・手軽
- ポータブルトイレ用消臭スプレーを使用後にひと吹きする
- 換気扇・空気清浄機をポータブルトイレの近くに置く
体験談
最初は「自分でトイレに行ける」という気持ちが強くて、娘から提案されたとき頑固に断りました。でも夜中に転倒して病院に運ばれてから考えが変わって。ポータブルトイレを枕元に置いてみたら、これが思ったより自分でできることが多くて、むしろ家族を呼ばなくていい分、気持ちが楽になったんです。最初の抵抗がなんだったのかと思うくらい。
※体験談は一般的なケースをもとにした構成例です。実際の体験談は順次掲載予定です。
母が夜中にトイレへ行こうとして転倒し、大腿骨を骨折してしまったのがきっかけです。退院後は絶対に再発させたくなくて、ケアマネさんと相談して温水洗浄機能付きポータブルトイレを選びました。母が一人でできることが多く、私を起こさなくて済むのが本人にとっても気楽なようです。臭いは消臭袋を使うようになってほぼ解決しました。
※体験談は一般的なケースをもとにした構成例です。実際の体験談は順次掲載予定です。
介護用品以外の費用も
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よくある質問
まとめ
ポータブルトイレ選び方のポイント
- 夜間のトイレ介助が増えてきたら、転倒を防ぐためにも早めに設置を検討する
- 迷ったら肘掛け付き洋式タイプ(1〜3万円)から。温水洗浄式は介助量が最も少ない
- 高さ調整・肘掛け・処理方式・蓋・洗いやすさの5点を確認して選ぶ
- 介護保険の特定福祉用具購入費で最大9割補助が受けられる(年10万円上限)
- 「家族のためでなく自分が一人でできるから」という視点で本人に伝える
- 消臭袋・消臭剤・蓋の活用で臭い問題は大幅に改善できる
「まだ大丈夫」と思いながら夜間の転倒事故が起きてから導入するケースも多い介護用品です。ケアマネジャーに「夜中のトイレが大変」と伝えるだけで、用具の選定からサービス調整まで一緒に考えてもらえます。一人で抱え込まずに早めに相談しましょう。
- 厚生労働省「特定福祉用具販売について」→ https://www.mhlw.go.jp/
- 厚生労働省「介護保険制度の概要」→ https://www.mhlw.go.jp/