まず最初にやるべきこと

「親の貯金が底をつきそう」「年金だけでは月額が足りない」——施設の費用が払えなくなりそうなとき、最初にやるべきは「払えなくなる前に相談すること」です。滞納が続くと、施設から契約解除・退去を求められることがあります。そうなる前に動けば、選択肢はずっと多く残ります。

1
施設の生活相談員に相談する

多くの施設には「生活相談員」がいます。支払いが厳しいことを正直に伝えれば、分割や減免制度の案内、住み替えの相談に乗ってくれることがあります。

2
ケアマネジャー・地域包括支援センターに相談する

使える制度や、より安い施設の情報を持っています。中立的な立場でアドバイスをもらえます。

3
市区町村の福祉窓口で減免制度を確認する

高額介護サービス費や補足給付など、申請すれば負担が下がる制度がないか確認します。

⚠️ 「恥ずかしい」「迷惑をかけたくない」と相談をためらううちに、滞納がふくらんで退去……というのが最悪のパターンです。相談は早いほど選択肢が多く残ります。

使える減免制度の一覧

介護や施設の費用には、申請すれば負担を下げられる公的制度があります。いずれも「申請しないと受けられない」ため、知らずに損をしている家族が少なくありません。

制度内容対象
高額介護サービス費1か月の介護自己負担が上限を超えた分が払い戻される介護保険の利用者
特定入所者介護サービス費(補足給付)特養・老健などの食費・居住費を軽減所得・資産が一定以下
高額医療・高額介護合算制度1年間の医療+介護の自己負担を合算して軽減医療・介護とも負担が高い世帯
社会福祉法人の利用者負担軽減特養などで食費・居住費・利用料を軽減低所得で要件を満たす方
📋 「負担限度額認定証」を申請しましょう
補足給付を受けるには、市区町村に申請して「介護保険負担限度額認定証」を交付してもらう必要があります。これがあると特養などの食費・居住費が大きく下がります。所得・資産の要件があるので、窓口で確認してください。

これらの制度を使っても費用が苦しい場合は、施設そのものを見直す段階です。次の章で「住み替え」を見ていきましょう。減免制度の詳細は介護の補助金・助成ガイド特養の費用と軽減制度でも解説しています。

費用の安い施設への住み替え

今の施設の費用が家計に重すぎるなら、より費用の安い施設への住み替えが現実的な解決策です。特に有料老人ホームから公的施設の特養へ移ることで、月額が大きく下がるケースがあります。

住み替え先月額の目安ポイント
特養(特別養護老人ホーム)8〜15万円最も安い。要介護3以上・待機あり。補足給付も使える
低価格帯の住宅型有料・サ高住13〜18万円地価の低いエリアなら年金内に近づけられることも
ケアハウス(軽費老人ホーム)10〜20万円所得に応じた料金。自立〜軽度向けが中心

特養は費用が安い反面、要介護3以上が対象で待機が長いのが弱点です。今すぐ移れない場合は、複数の特養に同時申し込みをしつつ、当面は低価格帯の施設でしのぐのが定石です(詳しくは特養と有料の比較)。

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小林正治さん(仮名)・64歳・年金生活 母・86歳の施設費用に悩んだ経験

母を月26万円の有料老人ホームに入れていましたが、預金が減る一方で、このままでは2年ももたないと気づきました。施設の相談員さんに正直に話したら、「負担限度額認定」と「特養への申し込み」を教えてもらえて。半年後に特養に移れて、月13万円に下がりました。もっと早く相談していればと思いましたが、声を上げてよかったです。一人で抱え込まないことが大事だと痛感しました。

※体験談は一般的なケースをもとにした構成例です。実際の体験談は順次掲載予定です。

費用の安い特養・低価格帯の施設を、エリアから検索・比較してみましょう。

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最終手段としての生活保護

減免制度や住み替えでも生活が立ち行かない場合、生活保護という選択肢があります。生活保護は「最後のセーフティネット」で、恥ずべきものではありません。介護が必要な高齢者が、生活保護を受けながら施設で暮らすことは制度上認められています。

📋 生活保護でも入れる施設はあります
「生活保護だと施設に入れない」と思い込んでいる方がいますが、実際には生活保護受給者を受け入れる施設は存在します。詳しくは生活保護でも入れる老人ホームで、対象施設や申請の流れを解説しています。まずは福祉事務所に相談してみましょう。

これから備える人へ

まだ施設に入る前の段階、あるいは「いずれ費用が心配」という方は、早めに介護費用の見通しを立てておくことで、「払えない」事態をかなり防げます。

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まとめ:費用が払えないときの対処法

  1. 滞納・無断退去はNG。「払えなくなる前」に相談するのが最善
  2. まず高額介護サービス費・補足給付など減免制度を申請(申請しないと受けられない)
  3. 費用の安い特養・ケアハウス・低価格帯施設への住み替えを検討
  4. それでも難しければ生活保護を福祉事務所に相談(恥ずべきことではない)
  5. これから備える人は、総額の見通しを早めに立てておく
参考・出典
※ 制度の利用可否・軽減額・要件は所得・資産・要介護度・お住まいの自治体により異なります。本記事は2026年6月時点の一般的な情報に基づいています。制度改正により変更される場合があります。具体的な手続き・要件は市区町村および福祉事務所の窓口に直接ご確認ください。