生活保護でも老人ホームに入れる?

結論から言うと、生活保護を受けていても老人ホームに入ることはできます。「お金がないから施設は無理」とあきらめる必要はありません。

ただし、どの施設にも入れるわけではなく、生活保護に対応した施設・費用が扶助の範囲に収まる施設に限られます。特に費用が抑えられる特別養護老人ホーム(特養)は、生活保護受給者が利用しやすい代表的な施設です。

大切なのは、自己判断で進めず、まず担当の福祉事務所(ケースワーカー)に相談することです。生活保護の費用は扶助の種類ごとにルールがあり、ケースワーカーと進めることでスムーズに、確実に進められます。

💡 生活保護の窓口は、お住まいの地域を担当する福祉事務所です。施設選びそのものは、地域包括支援センターやケアマネジャーも一緒に相談に乗ってくれます。「お金の手続き=福祉事務所」「施設探し=地域包括・ケアマネ」と役割を分けて考えると動きやすくなります。

生活保護が介護・施設費用をどうカバーするか

生活保護は、必要に応じて複数の「扶助」に分かれて支給されます。施設入居に関係する主な扶助は次のとおりです。

扶助の種類 カバーする費用 施設入居での役割
介護扶助 介護保険サービスの自己負担分(原則1割) 施設での介護サービス費の自己負担をまかなう
住宅扶助 家賃にあたる費用(地域ごとに上限あり) 居住費・家賃部分をまかなう(上限内の施設を選ぶ)
生活扶助 食費・日用品など日常生活費 食費・生活費にあてる(施設では基準が異なる場合あり)
医療扶助 医療費 通院・入院などの医療費をまかなう

ポイントは「住宅扶助には地域ごとに上限額がある」こと。家賃にあたる費用がこの上限を超える施設は、原則として生活保護では選べません。そのため、費用が扶助の範囲に収まる施設かどうかを最初に確認することが重要になります。

⚠️ 生活保護受給者でも、本人に年金収入や預貯金などがある場合は、その分を介護・生活費にあてたうえで不足分が保護費で補われます。資産・収入の状況によって扱いが変わるため、必ずケースワーカーに正確な状況を伝えて確認しましょう。

生活保護で入りやすい施設の種類

生活保護でも利用しやすい施設を、入りやすさの目安とあわせて整理しました。

施設 生活保護での入りやすさ 対象 ポイント
特別養護老人ホーム(特養) ◎ 入りやすい 要介護3以上(原則) 費用が安く扶助の範囲に収まりやすい。待機が長い
養護老人ホーム 65歳以上・経済的/環境的に在宅困難 市区町村の「措置入所」。要介護でなくても対象になりうる
ケアハウス(軽費老人ホーム) 自立〜軽度 低所得者向けで費用が所得に応じて軽減される
生活保護対応の住宅型有料・サ高住 △〜○ 自立〜要介護 「生活保護相談可」を掲げる施設のみ。数は限られる
介護付き有料老人ホーム △ 限られる 要介護中心 費用が高く生活保護対応は少数。要個別確認
公的施設 特別養護老人ホーム(特養)
入居対象 要介護3以上(原則)。特例で1・2も 費用面 食費・居住費は補足給付で軽減+自己負担分は介護扶助 注意点 人気が高く、都市部では待機が数年に及ぶことも
こんな方に:要介護3以上で、費用を最小限に抑えて長く暮らせる施設を探している方
公的施設 養護老人ホーム
入居対象 65歳以上で、経済的・環境的に自宅での生活が難しい方 入居方法 市区町村が必要性を判断する「措置入所」 特徴 介護施設というより「生活の場」。介護が必要なら外部サービスを利用
こんな方に:要介護認定はまだだが、経済的な事情で自宅での生活が難しい方

対応している施設を
エリアから探してみる

全国の施設をエリア・費用で検索できます。条件は福祉事務所・地域包括にも相談しながら進めましょう。

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相談から入居までの流れ

生活保護を受けている場合、必ず福祉事務所と連携しながら進めます。流れは次のとおりです。

  1. 福祉事務所のケースワーカーに相談……施設入居の希望を伝え、費用の扶助範囲を確認する
  2. 地域包括支援センター・ケアマネに施設を相談……生活保護対応の施設や、本人に合う施設タイプを一緒に検討
  3. 要介護認定を受ける……まだ認定がない場合は申請する(特養などは要介護度が条件)
  4. 対応施設を探して資料請求……費用が扶助の範囲に収まる施設を絞り込む
  5. 見学・面談……本人と一緒に見学。ケースワーカーが同席することもある
  6. 入居手続き……契約内容と費用の扶助範囲をケースワーカーと最終確認して入居
👩
Cさん(仮名)・50代・パート 生活保護を受ける母(80代)の施設探しを経験

「生活保護だと施設は無理」と思い込んでいました。でもケースワーカーさんに相談したら、特養なら費用はほとんど扶助でまかなえると教えてもらえて。地域包括の方が申し込みも手伝ってくれました。待機はありましたが、その間はショートステイでつなぎ、無事に入居できました。一人で悩まず相談してよかったです。

※体験談は一般的なケースをもとにした構成例です。実際の体験談は順次掲載予定です。

知っておきたい注意点

生活保護で施設を探すときのポイント
  • 必ず先にケースワーカーへ……施設を決めてから相談ではなく、相談しながら進める
  • 住宅扶助の上限内か確認……家賃にあたる費用が上限を超える施設は原則選べない
  • 「生活保護相談可」の表示を確認……民間施設は対応の有無を必ず事前に確認する
  • 地域差・待機を見込む……特養は人気が高く、都市部では待機が長くなりやすい
  • 本人の資産・年金も申告……収入がある場合は扶助の扱いが変わるため正確に伝える
📋 施設費用そのものが心配な方は「老人ホームの費用が払えないときの対処法」もあわせてご覧ください。生活保護以外の軽減制度(補足給付・高額介護サービス費など)も解説しています。

まとめ:生活保護と老人ホーム

  1. 生活保護でも老人ホームには入れる。ただし対応施設は限られる
  2. 介護費用は介護扶助、家賃は住宅扶助、生活費は生活扶助でカバー
  3. 費用面で入りやすいのは特養。養護老人ホーム・ケアハウスも選択肢
  4. 住宅扶助の上限内に収まる施設を選ぶことが重要
  5. まず福祉事務所のケースワーカーに相談し、地域包括・ケアマネと連携して進める

費用面で入りやすい施設の候補を、まずは集めてみましょう。

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参考・出典
※ 本記事は、厚生労働省などの公的資料をもとに、よりそい介護編集部が作成した一般的な情報です。生活保護の扶助範囲・住宅扶助の上限額・施設の対応状況は、地域や個人の状況により異なります。具体的な判断は、お住まいの福祉事務所(ケースワーカー)や地域包括支援センターにご相談ください。
最終更新:2026年6月