全国の特養待機者は約37万人という現実
特別養護老人ホーム(特養)は、要介護3以上であれば比較的低コストで入居できる公的施設として人気が高く、申し込みから入居まで長期間の待機が発生するのが現状です。厚生労働省の調査によると、特養への入居を希望する待機者は全国で約37万人にのぼります。
「申し込んだらすぐ入れると思っていた」という声は後を絶ちません。特養は月額費用が比較的安く(7〜13万円程度)、終身利用できる安心感から需要が非常に高い一方、供給が追いついていないのが実情です。
申し込んだのは母が要介護3になった直後でした。ケアマネさんに「都内は長いですよ」とは言われていたけど、まさか3年経っても連絡が来ないとは思わなかった。今は週3回デイサービスに行ってもらいながら何とか在宅で頑張っているけど、私自身が体を壊しかけています。もっと早く複数申し込みしていればよかった。
※体験談は一般的なケースをもとにした構成例です。実際の体験談は順次掲載予定です。
地域によって大きく違う待機期間
待機期間は居住地域によって大きく異なります。都市部ほど競争が激しく、入居まで非常に長い時間がかかる傾向があります。
| 地域 | 目安の待機期間 | 特徴 |
|---|---|---|
| 東京23区・大阪市内 | 3〜5年以上 | 申込者が特に多く長期化しやすい |
| 政令指定都市(名古屋・福岡など) | 2〜4年 | 施設数は多いが需要も高い |
| 地方都市・郊外 | 1〜2年 | 待機者が少なく比較的早い |
| 過疎地域・農村部 | 半年〜1年 | 申込者が少なく入居しやすい |
「要介護度が高いほど優先される」という点も重要です。特養では要介護3〜5が入居対象ですが、要介護5(最重度)の方が優先されるケースが多く、同じ申し込み時期でも要介護度が上がると順番が早まることがあります。
特養に申し込む手順
特養への申し込みは施設に直接行います。ケアマネジャーに相談すると候補施設のリストアップや書類準備を手伝ってもらえます。
複数の特養に同時申し込みが鉄則
特養の入居待ちを少しでも短くするために最も有効な方法が、複数施設への同時申し込みです。特養は何箇所でも同時に申し込むことができ、費用は無料の施設がほとんどです。
- 申し込み施設数の上限はなし。5〜10箇所に申し込む方も多い
- 自宅から遠い施設でも申し込んでおき、入居が決まったら検討する
- 「第1希望」を決めておき、他は保険として申し込む
- 施設見学を済ませておくと、入居決定時にスムーズに判断できる
- 入居が決まったら、他の施設に「辞退する」旨を連絡する(マナー)
特養では「介護の必要性が高い方」「在宅での生活が困難な方」が優先されます。具体的には要介護度・認知症の程度・在宅介護者の状況(介護者が高齢・病気など)が考慮されます。ケアマネに「優先度が上がる条件」を確認しておきましょう。
待機中の在宅費用、
民間介護保険で備えていますか?
特養入居まで数年かかることも。待機中の在宅介護費用の備えをFPに無料相談して確認しておきましょう。
待機中にできること・やるべきこと
特養への入居を待つ間も、介護は続きます。待機期間を少しでも安心して乗り越えるために、以下の選択肢を活用しましょう。
ショートステイ(短期入所)を定期利用する
特養と同じ施設内のショートステイを定期利用することで、施設スタッフや環境に本人が慣れ、入居時のスムーズな移行につながります。また、介護者の休息確保としても重要です。月に7〜10日程度の利用が可能です。
小規模多機能型居宅介護を活用する
「通い・泊まり・訪問」を組み合わせて利用できるサービスです。特養待機中の在宅生活を支える柱として非常に有効で、一つの事業所と契約するだけで複数のサービスが利用できます。
グループホームや有料老人ホームも並行検討する
特養の入居を待ちながら、グループホーム・住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)への入居も並行して検討することをおすすめします。特養より費用は高くなりますが、入居までの待機期間が短い場合が多く、状態の安定した生活を送れます。
最初は2箇所だけ申し込んで待っていたんですが、ケアマネさんから「それじゃ何年かかるかわからない」と言われて。慌てて8箇所追加して合計10箇所にしました。ついでに見学も行ってみたら、施設によって雰囲気が全然違うことがわかって、自分なりに第1希望・第2希望が決まりました。申し込みは無料なので、とにかくたくさん出しておくのが正解だと思います。
※体験談は一般的なケースをもとにした構成例です。実際の体験談は順次掲載予定です。
まとめ
- 特養の全国待機者は約37万人。都市部では3〜5年以上かかることも
- 要介護度が高いほど優先される仕組みを理解しておく
- 申し込みは施設に直接。ケアマネに相談しながら進める
- 複数施設への同時申し込みが入居を早める最も有効な方法
- 待機中はショートステイ・小規模多機能・他施設種別を並行活用する
- 厚生労働省「特別養護老人ホームの入所申込者の状況」→ https://www.mhlw.go.jp/
- 厚生労働省「介護保険制度の概要」→ https://www.mhlw.go.jp/