負担限度額認定制度とは?
負担限度額認定制度とは、低所得の方が特養・老健などの介護施設に入所した際の食費・居住費を大幅に軽減する制度です。「補足給付」とも呼ばれます。介護保険サービス費の自己負担(1〜3割)とは別枠で申請が必要です。
特養や老健に入所すると、介護サービス費の自己負担に加えて、食費(1日約1,445円)と居住費(個室なら1日約2,006円)が別途かかります。これらは介護保険の給付対象外ですが、この制度を使うことで月3〜6万円の軽減が可能になります。
入所が決まった時、費用の話でケアマネさんから「負担限度額認定証を申請してください」と言われたんですが、正直よく分からなくて後回しにしてしまったんです。1か月後に申請してみたら、月の食費・居住費が約4万円安くなっていて驚きました。あの1か月に申請しなかった分は戻ってこないと聞いて、もっと早く動けば良かったと後悔しています。
※体験談は一般的なケースをもとにした構成例です。実際の体験談は順次掲載予定です。
対象になる3要件を確認する
まず「自分(または親)は対象になるか」を3つの要件で確認してください。3つすべてに当てはまれば申請できます。
住民税非課税
であること
預貯金等の上限額(2026年現在)
| 段階 | 対象者の年金収入等 | 預貯金上限(単身) | 預貯金上限(夫婦) |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | 生活保護受給者・老齢福祉年金受給者 | 1,000万円以下 | 2,000万円以下 |
| 第2段階 | 住民税非課税世帯で年金収入等80万円以下 | 650万円以下 | 1,650万円以下 |
| 第3段階① | 住民税非課税世帯で年金収入等80万円超〜120万円以下 | 550万円以下 | 1,550万円以下 |
| 第3段階② | 住民税非課税世帯で年金収入等120万円超 | 500万円以下 | 1,500万円以下 |
| 第4段階(対象外) | 住民税課税世帯または預貯金が上限超過 | ||
月いくら安くなるか?節約額シミュレーション
「対象になりそう」と思ったら、実際にどれくらい安くなるか確認してみましょう。以下は特養(多床室)に入所した場合の比較です。
特養・多床室の場合(1か月30日換算)
| 段階 | 食費(月額) | 居住費(月額) | 合計 | 標準比の節約額 |
|---|---|---|---|---|
| 標準(第4段階) | 43,350円 | 25,650円 | 約69,000円 | — |
| 第1段階 | 9,000円 | 0円 | 約9,000円 | ▲約60,000円 |
| 第2段階 | 11,700円 | 11,100円 | 約22,800円 | ▲約46,000円 |
| 第3段階① | 19,500円 | 11,100円 | 約30,600円 | ▲約38,000円 |
| 第3段階② | 40,800円 | 11,100円 | 約51,900円 | ▲約17,000円 |
入所手続きに追われて、認定証の申請を入所から2か月後にしてしまいました。施設の方から「遡及適用はできない」と言われて、2か月分で約8万円が軽減されずに過ぎてしまいました。ケアマネさんに「入所前から準備できる書類だった」と後から聞いて、本当にもったいないことをしたと思っています。入所が決まったらすぐ動くべきでした。
※体験談は一般的なケースをもとにした構成例です。実際の体験談は順次掲載予定です。
所得段階と負担限度額一覧(2026年現在)
施設の種類によって居住費の区分が異なります。入所予定の施設の部屋タイプに合わせて確認してください。
| 段階 | 食費 (日額) |
ユニット型 個室(日額) |
従来型 個室(日額) |
多床室 (日額) |
|---|---|---|---|---|
| 第1段階 | 300円 | 820円 | 490円 | 0円 |
| 第2段階 | 390円 | 820円 | 490円 | 370円 |
| 第3段階① | 650円 | 1,310円 | 1,310円 | 370円 |
| 第3段階② | 1,360円 | 1,310円 | 1,310円 | 370円 |
| 第4段階(基準額) | 1,445円 | 2,006円 | 1,668円 | 855円 |
申請の5ステップ
申請は住所地の市区町村(介護保険担当窓口)で行います。入所前または入所が決まった時点で動き始めるのが理想です。
対象となる施設・サービス
負担限度額認定証を提示することで軽減が適用される施設・サービスは以下のとおりです。
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 介護老人保健施設(老健)
- 介護医療院
- ショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護)
見落としやすい注意点
世帯分離すれば対象になれる?
「世帯分離をすれば自分だけ住民税非課税になれる」と聞いて相談に来る方がいます。たしかに世帯分離によって本人の世帯が非課税になれば対象になる可能性はありますが、注意点もあります。
- 配偶者(同居・別居問わず)が住民税課税であれば対象外になる
- 国民健康保険料・後期高齢者医療保険料が世帯収入で計算されるため、世帯分離で保険料が上がる可能性がある
- 生活保護や高額療養費の判定にも影響することがある
「世帯分離すると得か損か」は個々の収入・保険料の状況によって異なります。市区町村の窓口で総合的に相談してから判断することをお勧めします。
高額介護サービス費と組み合わせると最強
負担限度額認定(食費・居住費の軽減)と高額介護サービス費(介護サービス費自己負担の月額上限)は別の制度で、両方同時に申請・利用できます。2つを組み合わせることで介護費用全体を最大限に抑えることができます。
ケアマネさんに「2つの制度を合わせると月8〜9万円の節約になりますよ」と言われてもピンとこなかったんですが、実際に計算してみたら本当にそうでした。負担限度額認定で食費・居住費を減らして、高額介護サービス費でサービス費の上限を設けて。申請は少し手間ですが、年間で100万円近く違ってくるのでやらない手はないですよね。更新の時期だけ気をつけています。
※体験談は一般的なケースをもとにした構成例です。実際の体験談は順次掲載予定です。
まとめ:申請前に確認する5つのこと
- 本人・配偶者ともに住民税非課税か確認する(配偶者が別居でも要確認)
- 預貯金等が段階ごとの上限額以下かチェックする
- 入所が決まったら即申請。遡及適用は不可のため1日でも早く
- 認定証が届いたら施設へ提示し、毎年7月の更新を忘れない
- 高額介護サービス費との併用で介護費用全体を最小化する
制度だけでは足りない場合の備え方は?
軽減制度を活用しても自己負担が残る場合、保険での備えが有効なケースがあります。FPへの無料相談でご自身の状況に合った方法を一緒に考えましょう。
🛡️ 保険マンモスに無料相談する →- 厚生労働省「介護保険の給付(補足給付・負担限度額認定)」→ https://www.mhlw.go.jp/
- 介護保険法 第51条の3(特定入所者介護サービス費の支給)
- 厚生労働省「令和3年介護保険制度改正における負担限度額認定の見直し」