高額介護サービス費制度とは?

高額介護サービス費制度とは、1か月に支払った介護保険サービスの自己負担額が一定の上限を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です。介護保険の自己負担は通常1〜3割ですが、複数のサービスを組み合わせると月の負担が大きくなることがあります。この制度が実質的な「天井」を設けて、過剰な負担を防いでくれます。

📌 制度の4つのポイント
  • 介護費用の自己負担に月額上限が設定される
  • 上限を超えた分は市区町村から後日還付される(翌々月以降)
  • 申請は1回でOK(以降は自動計算・自動支給)
  • 世帯で複数名が介護保険を使っている場合、合算で上限が適用される
👩
斉藤康子さん(仮名)・63歳・パート(長女) 制度を知らずに2年間申請しなかった経験

母が特養に入ってから2年以上、こんな制度があることを知りませんでした。ケアマネさんに「高額介護サービス費、申請されてますか?」と言われてハッとして。すぐに市区町村に問い合わせたら、過去2年分の還付で18万円近く戻ってきました。正直、もっと早く知りたかったです。ケアマネさんが教えてくれなければ、ずっと気づかなかったと思います。

※体験談は一般的なケースをもとにした構成例です。実際の体験談は順次掲載予定です。

所得区分別の月額上限一覧(2026年現在)

上限額は世帯の所得によって異なります。年金収入のみの非課税世帯が多い高齢の親の場合は「住民税非課税世帯」の上限が適用されることが多く、個人上限は月15,000円です。

所得区分 対象者の目安 月額上限(世帯)
現役並み所得者(Ⅲ) 年収約1,160万円以上 140,100円
現役並み所得者(Ⅱ) 年収約770万円〜1,160万円未満 93,000円
現役並み所得者(Ⅰ)・一般 年収約153万円〜770万円未満(住民税課税) 44,400円
住民税非課税世帯 世帯全員が住民税非課税 24,600円(世帯)
15,000円(個人)
生活保護受給者等 生活保護受給世帯 15,000円
💡 年金収入のみの高齢単身・夫婦世帯は多くの場合「住民税非課税世帯」に該当します。この場合の個人上限は月15,000円です。在宅でデイサービス+訪問介護を組み合わせると、月の自己負担がこれを超えやすくなります。

いくら戻ってくる?3つの計算例

自分のケースに近いものを参考にしてみてください。

ケース①
要介護3・在宅介護
住民税非課税世帯(個人上限15,000円)
デイサービス週3回約12,000円
訪問介護週5回約10,000円
合計自己負担約22,000円
上限額15,000円
還付額▲7,000円/月
ケース②
要介護5・特養入所
一般(住民税課税、上限44,400円)
介護サービス費(1割)約28,000円
加算等約8,000円
合計自己負担約36,000円
上限額44,400円
還付額0円(上限未満)
ケース③
世帯2人が介護保険利用
住民税非課税世帯(世帯上限24,600円)
父の自己負担約16,000円
母の自己負担約15,000円
世帯合計約31,000円
世帯上限額24,600円
世帯還付額▲6,400円/月
ケース④
要介護4・老健入所
住民税非課税世帯(個人上限15,000円)
介護サービス費(1割)約24,000円
加算等約4,000円
合計自己負担約28,000円
上限額15,000円
還付額▲13,000円/月
⚠️ 上記は概算です。実際の自己負担額は要介護度・利用サービス・施設の加算内容によって異なります。正確な金額はケアマネジャーまたは市区町村窓口で確認してください。

申請の4ステップと還付タイミング

申請は住所地の市区町村の介護保険担当窓口で行います。1回申請すれば以降は自動支給されるため、まず申請することが最優先です。

申請を忘れていた場合:2年遡及のしくみ

⚠️ 申請していなかった方へ:今すぐ確認してください

高額介護サービス費は「サービスを利用した月の翌月1日から2年以内」であれば遡って申請できます。「知らなかった」「通知が来なかった」という理由で申請しないままでいると、2年分を超えた分は請求できなくなります。

2年間遡って申請した場合、還付総額が大きくなるケースがあります。月の還付が5,000〜1万円であれば、2年分で12〜24万円相当になります。

👨
田村光雄さん(仮名)・58歳・会社員(長男) 両親2人分の合算申請で還付を受けた経験

父と母が2人ともデイサービスを使っていて、それぞれ月1万数千円を払っていました。「2人合わせると世帯の上限を超えるはず」とケアマネさんに指摘してもらって申請したら、世帯合算で毎月6,000円以上の還付が来るようになりました。しかも遡及分も申請できると聞いて、過去1年半分を申請。合計で11万円以上が戻ってきました。1人ずつで考えてたら、気づかなかったと思います。

※体験談は一般的なケースをもとにした構成例です。実際の体験談は順次掲載予定です。

他の制度との組み合わせで最大節約

高額介護サービス費は単体でも効果的ですが、他の制度と組み合わせることで介護費用全体の自己負担を大幅に圧縮できます。

💡 3制度の組み合わせ早見表
制度① 高額介護サービス費…介護サービス費(1〜3割負担)の月額に上限を設ける
制度② 負担限度額認定…施設の食費・居住費を軽減(住民税非課税世帯が対象)
制度③ 高額医療・高額介護合算…医療費と介護費の年間合計に上限を設ける(毎年8月申請)
→ ①+②の組み合わせで、特養・老健の自己負担を月1〜2万円台に抑えられるケースもあります
比較項目 高額介護サービス費 負担限度額認定 高額医療・高額介護合算
対象費用 介護サービス費(1〜3割) 食費・居住費 医療費+介護費(合算)
計算期間 毎月 毎月(認定証提示) 1年間(8月〜翌7月)
対象者 介護保険利用者全般 住民税非課税世帯 医療・介護両方使う人
申請先 市区町村(1回で自動継続) 市区町村(毎年更新) 市区町村+健保(毎年)
👩
西田幸子さん(仮名)・66歳・専業主婦(長女) 3制度を組み合わせて母の施設費用を圧縮した経験

母が老健に入ったとき、最初は月11万円を超えていました。ケアマネさんに言われて負担限度額認定を申請したら食費・居住費が大幅に下がって、さらに残った介護サービス費に高額介護サービス費が適用されて。2つ合わせたら月の実質負担が4万円台に。さらに医療費と合算する制度も使って年間でも還付があって。制度を知っているか知らないかで、こんなに差が出るんだと驚きました。

※体験談は一般的なケースをもとにした構成例です。実際の体験談は順次掲載予定です。

対象外になる費用に注意

以下の費用は高額介護サービス費の対象外です。自己負担額の計算に含まれないため、これらの費用が高い場合は別の制度を探す必要があります。

まとめ:今すぐやることチェックリスト

  1. 「申請していない」「通知が来ていない」方はすぐに市区町村の介護保険担当窓口に問い合わせる
  2. 2年前までの未申請分は遡及申請できる。先延ばしにせず今月中に確認する
  3. 世帯に2人以上が介護保険を使っている場合は世帯合算での申請を確認する
  4. 住民税非課税世帯なら「負担限度額認定」と組み合わせて食費・居住費も軽減する
  5. 医療費も高い月が続く場合は「高額医療・高額介護合算制度」(毎年8月申請)も活用する
広告
FP無料相談|保険マンモス

制度だけでは補えない介護費用、保険で備えていますか?

公的制度を最大限活用しても自己負担が残る場合があります。FPへの無料相談で、現在の保険で十分かを一緒に確認しましょう。

🛡️ 保険マンモスに無料相談する →
🛒
PR
介護用品・福祉用具を楽天市場で
介護ベッド・車椅子・おむつなど、在宅介護に必要な用品をまとめて比較・購入できます。
楽天で価格・口コミを見る →

介護費用の制度・サービスについて相談してみませんか

どちらも登録不要・完全無料です。

みんなの介護で施設・費用を調べる →
イチロウ|在宅介護サポート
在宅介護の費用負担を減らしながら続けるためのサポート相談。24時間365日対応。
在宅ケア相談(PR)→
※イチロウはPR(広告)です
参考・出典
  • 厚生労働省「高額介護サービス費の支給」→ https://www.mhlw.go.jp/
  • 厚生労働省「高額医療・高額介護合算療養費制度」→ https://www.mhlw.go.jp/
  • 介護保険法 第61条(高額介護サービス費の支給)
※ 上限額・計算例は2026年時点の情報をもとにした概算です。実際の還付額は要介護度・利用サービス・自治体の計算方法によって異なります。正確な金額は市区町村の介護保険担当窓口でご確認ください。