入居一時金とは

老人ホームの費用は「入居時に払うお金」と「毎月払うお金」に分かれます。このうち入居時にまとまって払うのが入居一時金です。

入居一時金は、主に有料老人ホームで設定される「家賃の前払い」にあたる費用です。入居後、一定期間に分けて少しずつ償却(消化)され、償却が終わる前に退去すれば残りが返ってきます。金額は0円から数千万円までと、施設によって非常に幅があります。

💡 特養・老健・グループホームなどでは、原則として高額な入居一時金はかかりません(敷金程度のことが多い)。入居一時金が大きく関わるのは、主に民間の有料老人ホームです。

月額費用の内訳

毎月かかる費用(月額費用)は、主に次の項目で構成されます。施設の種類によって含まれる範囲が異なります。

項目 内容 備考
居住費(家賃) 居室の使用料 一時金型は前払い済みのため月額が低め
食費 1日3食分の食事代 食べた分の精算方式の施設もある
管理費・運営費 共用部の維持・事務・人件費など 施設により差が大きい
介護サービス費(自己負担) 介護保険サービスの自己負担分 要介護度・所得で変動
その他 日用品・医療費・おむつ代・レク参加費など 月数千〜数万円かかることも
⚠️ パンフレットの「月額◯万円」には、介護サービス費・日用品・医療費などが含まれていないことが多いです。実際の支払いは表示額より数万円高くなることがあるため、「含まれるもの・別途かかるもの」を必ず確認しましょう。

一時金・月額を施設ごとに
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全国の施設を費用で検索・比較できます。一時金あり/なしの両方を見比べて、総額で判断しましょう。

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一時金あり・なしプランの違い

同じ施設でも、「一時金を払って月額を下げるプラン」と「一時金0円で月額を高くするプラン」を選べることがあります。

前払い型 入居一時金あり(家賃前払い型)
初期費用 高い(数十万〜数千万円) 月額 低め(家賃を前払い済みのため) 向く人 長く住む予定で、総額を抑えたい人
メリット:長期入居なら総額が割安になりやすい/月々の負担が軽い
月払い型 入居一時金なし(月払い型・0円プラン)
初期費用 少ない(0円〜敷金程度) 月額 高め(家賃が毎月かかる) 向く人 入居期間が短い・不確実、初期費用を抑えたい人
メリット:初期費用が軽い/短期退去でも一時金で損をしにくい

償却・返還の仕組みと90日ルール

一時金型を選ぶなら、「償却」の理解が欠かせません。償却とは、前払いした一時金を毎月少しずつ消化していく仕組みです。

償却で押さえる3つのポイント
  • 初期償却……入居時点で一定割合(例:◯%)をまず消化する設定。この分は退去しても戻らない
  • 償却期間……残りを何年かけて消化するか(例:5年)。期間内の退去なら未償却分が返還される
  • 返還金……「一時金 −(初期償却+経過分)」が退去時に戻る金額
📌 短期解約特例(90日ルール)
入居後おおむね90日以内に契約を解除した場合、原則として実費(家賃・食費・サービス費の実費相当)を除いた一時金が返還されます。「入ってみたら合わなかった」ときの大切な救済ルールです。契約書で対象期間と返還内容を必ず確認しましょう。
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総額での選び方

一時金あり・なしは、「想定入居年数で総額がいくらになるか」で比べるのが正解です。月額の安さや一時金の大きさだけで判断しないようにしましょう。

  1. 想定入居年数を決める……年齢・健康状態から「何年くらい住むか」をざっくり想定
  2. 総額を試算する……「一時金 + 月額 × 12か月 × 想定年数」で各プランを計算
  3. 別途費用を足す……介護費・日用品・医療費など月額に含まれない分を加える
  4. 返還条件を確認……初期償却・償却期間・90日ルールをチェック
  5. 払い続けられるか確認……年金・資産で無理なく続くかを見る
📋 施設別の費用相場や軽減制度は「介護費用は実際いくらかかる?」「特養の費用と軽減制度」もあわせてご覧ください。
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Iさん(仮名)・60代・会社員 母(80代)の有料老人ホームを契約した経験

最初は「一時金0円」のプランに惹かれましたが、月額が高く、長く住むなら一時金型のほうが総額で安いと気づきました。担当者に何年で逆転するか計算してもらい、納得して一時金型に。90日ルールも確認できたので、もし合わなくても安心、と思えました。総額で比べる視点が大事だと実感しました。

※体験談は一般的なケースをもとにした構成例です。実際の体験談は順次掲載予定です。

まとめ:入居一時金と月額の仕組み

  1. 入居一時金は「家賃の前払い」。主に有料老人ホームで設定される
  2. 月額には介護費・日用品などが含まれないことが多い。総額で見る
  3. 長期入居なら一時金型、短期・不確実なら月払い型が向く
  4. 初期償却・償却期間・返還金の仕組みを必ず確認する
  5. 90日以内の解約は一時金が原則返還される(短期解約特例)

一時金・月額の条件を、施設ごとに見比べてみましょう。

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参考・出典
※ 本記事は、厚生労働省・国民生活センターなどの公的資料をもとに、よりそい介護編集部が作成した一般的な情報です。一時金・償却・返還の条件は施設・契約により異なります。契約前に重要事項説明書・契約書の内容を確認し、不明点は施設や消費生活センターにご相談ください。
最終更新:2026年6月